医師が転職を決意したときなど、今の職場を円満退職したい時に注意すべきことには、相談する時期やまず誰に相談するかなどいくつかあるものですが、最も注意すべきこととしては「退職理由」が真っ先に挙げられます。
どうして「退職理由」が円満退社において重要なのか、今回はそれを詳しくご説明していきます。転職をお考えの際には当記事に一度目を通しておいてください。
目次
退職理由は「個人的な理由」にすることが大切
なぜならこの「退職理由」次第で相談相手(=ここでは直属の上司とします)の対応が大きく変わってくるからです。
そしてもし円満退職をしたいならば、退職理由は必ず「個人的な理由」にすることが大切です。個人的な理由であれば、引き止めの口実を作ってしまう心配がほぼないからです。
もし退職理由に個人的な理由ではなく、例えば会社への不平不満であったり職場の人間関係の問題をもってきてしまうと、「その問題をなんとかするから辞めないでくれ!」と引き止められてしまう可能性がありますからね。もちろん、実際の退職(転職)理由に関してはそういった医局や医療施設への不平不満(給与が低い等)や人間関係の悪さこそが最上位を占めていることが調査結果により分かっています。
わだかまりを残したまま去るのはご自身の気持ちも精神衛生上良くありませんし、今後の活動にも悪く影響してくるかもしれません。立つ鳥跡を濁さず!です。今の職場は辞めればおそらく二度と来ない場所になる可能性が高いわけですから、後味を良くしてできる限り気持ちよく去りたいものではないでしょうか。
円満退社のための”おすすめの退職理由”4選
では退職理由としておすすめの「個人的な理由」に関してですが、大きく分けて下記4種類があります。
[1、キャリアアップ・将来のこと]
[2、自身の健康問題]
[3、身内の問題]
[4、結婚・出産]
1、キャリアアップ・将来のこと
1(キャリアアップ・将来のこと)と2(自身の健康問題)は、医師に限らずとも比較的誰でも使える”おすすめの退職理由”です。
1の「キャリアアップや将来」のことに関しては、例え現在の年齢がおいくつであれ関係ありません。基本的にはキャリアや将来的なことは誰だって常に頭の中にあることですからね。
特に将来のことを考えて別分野へ一歩踏み出したいといったことであれば、早ければ早いに越したことはありませんから、上司もあなたの将来を想って必要以上に止めようとはしないでしょう。
2、自身の健康問題
そして、2の「自身の健康問題」もまた使いやすい退職理由です。
医師という職業は時に肉体的にとてもハードワークを強いられますし、そうでなくても20代後半に入ったあたりから多くの人は何らかの身体の不調を1つや2つ抱え始めるものです。それを素直に打ち明ければ良いだけの話ですから、別にウソをつく必要もありません。もちろん、全くもって不調なしの健康そのものであればそれに越したことはありませんが。
特に今の職場が肉体労働や長時間労働(当直や残業)など体力的にきつい要素を含んでいるものであるほど、このままずっと現職を続けていくことには抵抗があって当たり前です。
健康上の理由は引止めにあいにくい?
誰しも自分の身体のことは自分が一番よく分かっているわけですし、健康というのは一度大きく害してしまうと多額の入院費・治療費がかかったり、その治療期間も数か月かかったりするのは珍しくありません。そしてそんなにまでしてお金と時間をかけても完全には元の健康状態に戻らないことももちろんあるわけです。
自身の健康問題を引き合いに出されての退職・転職は、普通誰にも引き止めることなどできないのです。もしそれでも強引に引き止めてきたならば、その相談相手である上司はあなたの身体のことよりも経営や仕事量を優先していることになります。そんな上司であることが分かればもはや遠慮はいりません。早めにその職場と上司には見切りをつけて新しい第一歩を踏み出したほうが良いでしょう。
3、身内の問題
そして3つ目の「身内の問題」に関してですが、これは実際に直面している問題がある場合には、それをそのまま伝えれば良いだけなので退社までの話が割りとスムーズにまとまります。
身内の問題には、例えば親の介護であったり、家族(夫もしくは妻)の転勤、医者を辞めて家業を継ぐことなどが代表的ですね。
働き盛りの30~40代男性・女性はまさにその時期に親が病気になったり足が不自由になったりで、日常生活に支障をきたすようになることが多いものです。そんな親の介護のために退職を考えているというのならば、上司もまず背中を押してくれるはずです。
4、結婚・出産
結婚や出産は女性医師にとっては比較的使いやすい退職理由です。
結婚を機に仕事を辞める(または一時休業する)女性は決して珍しくありません。
しかし出産が理由の場合は少し注意が必要です。
結婚自体は以前にしていて今回出産するのを機に退職するというのであれば、「どうぞ産休をとってください。」と言われて退職を引き留められる可能性があるからです。
人材不足の病院施設・職場であるほど引き止められやすくなりますから、もしそうなった際の切り返し方は考えておくと良いでしょう。
まったくの嘘の退職理由は絶対に避けること
ちなみに当然ですが、ウソをついてまでこれら「3、身内の問題」や「4、結婚・出産」といった理由をでっちあげるのはおすすめ致しません。
結婚・出産はもちろんのこと、身内の問題に関してもウソをついてまで退職理由にしてしまうと、常に後でバレる可能性があることをお忘れなく!いざ退職したあとで、いつどこで前の会社の人とばったり顔を合わせるか分かりませんからね。そこで元居た会社のライバル会社に現在居ることがバレてしまった日には、バツが悪いことこの上ないでしょう。
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