近年、医療訴訟の件数が年々増加していて、医師・医療機関が支払いきれない高額の賠償金の支払命令を受けるケースも出ていることもあり、医師・医療機関にとって医師賠償責任保険が重要性を増してきています。
しかしながら、医師賠償責任保険に加入していない勤務医が多いのも事実です。
どこで加入すればいいのか?それがわからず未加入になってしまっている医師も多いはず。
今回は、医師賠償責任保険を扱う代表的な「日本医師会」と医師転職サイト「民間医局」、どちらの保険がいいのかを比較してみました。
目次
医師賠償責任保険の必要性
近年、医療における訴訟件数は右上がりで、医師が患者に訴えられるケースは珍しいことではなくなってきています。産科医の減少は訴訟への不安が一因ともいわれています。
「自分だけは大丈夫」という考え方は、大きなリスクにつながる可能性があります。
裁判所によって「賠償責任がある」と判断されると、億の単位に及ぶ賠償金額になることも珍しくありません。そのため、今では開業医であっても勤務医であっても医師賠償責任保険に加入していることは当然となり、かつその補償内容が重要となります。
勤務医も医師賠償責任保険に入った方がいい?
勤務医が訴えられる場合というのはほとんどが病院の開設者(医賠責に当然入っている)と共同で被告となるので、個人の責任を問われることは実際的には稀です。
ただし、病院の医賠責の補償上限が1億円で賠償額が2億円だった!などという場合は当然個人の負担を迫られる場合もあるので、やはり余裕があれば医賠責には入っておいた方が良いのは間違いありません。
医師賠償責任保険はどこで加入できる?
医療賠償責任保険については、まずは日本医師会で加入できるものが代表的です。
同会の会員である開業医・勤務医・研修医が加入することができます(開業医は自動的に加入)。
またそれ以外にも、「日本医師会医療賠償責任保険」だけではなく、民間の保険会社が独自に開発した商品もあります。医師会に属していないドクターは、この民間の保険に加入する事で賠償のリスクを減らせます。
保険料に関しては、個人での加入を見ると日本医師会に比べてやや割高の傾向にあります。しかし、団体割引制度などもあり、保険料が20%OFFになったりするので結果的にはお得ともいえます。
日本医師会と民間医局の医師賠償責任保険
◆日本医師会:医師賠償責任保険
日本医師会医師賠償責任保険は、日本医師会によって運営される保険です。
日医会員の開業医は、自動的に加入することになります。日本医師会医師賠償責任保険の保険料は、医師会の会費の中から支払われ、1事故あたりの損害賠償金の補償限度額は1億円です。医療事故が起きて患者から損害賠償請求が行われると、医師会の医事紛争処理委員会によって審査が行われます。
参考:日本医師会ホームページ
◆民間医局:医師賠償責任保険
医師転職サイト「民間医局」の医師賠償責任保険は、常勤・非常勤の勤務形態および勤務内容を問わず、複数の施設で勤務する場合も、補償の対象となります。
1事故最大2億円まで、勤務先を問わず補償されます。
また、団体割引が適用されるので保険料が安いというメリットもあります。
59,390円→47,710円(20%OFF)
※2017年度より、「嘱託医等の医師活動賠償責任補償」がセットされています。
上記の保険料は、医師賠償責任保険(団体割引適用)と嘱託医等の医師活動責任補償の合計保険料です。
保険料は団体割引20%OFF!Webで簡単申込みができます。
(※民間医局の医師賠償責任保険の資料請求には、会員登録が必要です。
ですが、民間医局への入会費や年会費は一切かかりませんので、安心して利用してください。)
勤務医が加入すべき医師賠償責任保険はどれ?
一般の勤務医については、個人単位で加入することも可能ですが、多くは任意の団体を経由してこの医師賠償責任保険に加入しています。
勤務医の場合、アルバイト先も含めて、複数の勤務先がある場合も少なくありません。
常勤・非常勤に関わらず、勤務先が複数ある場合も多い、ということを考えると、複数の施設の事故に対して補償がある保険が必要になります。
また忙しい勤務医にとって「短時間で簡単に加入できる」ということは、保険加入への敷居が低くなります。加入のときに書類を用意する手間もなく、WEB上で手続きできる保険であれば簡単ですね。
このような条件を満たす保険の一つが、「民間医局」の医師賠償責任保険。
「民間医局」の医師賠償責任保険では、高額補償でアルバイト先の事故も対象となります。
保険料も団体割引が適用されていて、勤務医にとって安心できる保険のひとつです。