医師のオンコール当番は、体力面だけでなく精神的にも負担に感じる人が多いです。
「オンコール」とは病院などの医療機関で導入されている勤務体系の一つで、緊急時への即時対応を行うための待機体制のこと。
当直は病院などの医療機関施設内で待機する勤務体制ですが、オンコールの場合は病院外にいてもいいことになっています。ただし、緊急時にはいつでも出勤体制が取れるように準備しておかなければなりません。
今回は、そんな「医師のオンコール事情」についてお話します。
当直よりもストレスの多いオンコール待機
当直に比べてオンコール待機の方がストレスを感じる医師は多いです。
一見、自宅待機なら楽なのではと思う方がいるかもしれませんが、夜間や休日にいつでも対応できるように待機しておかなければならず、なかなか気持ちが休まりません。
行動が制限されるため、そもそもオンコールを好まない医師も少なくありません。
負担にならないようにオンコールのない病院などを選んで転職するドクターもいます。
オンコール待機が多い診療科目は?
オンコールは勤務する病院や診療科目によって、その待機内容が異なります。
一般的にオンコールで病院直行が多い科目は、外科・麻酔科・小児科・産婦人科の医師達で、オンコールを受けたら30分から1時間以内に病院に到着しなければならないと、厳格にルール決めする病院もあるようです。
これらの診療科目がオンコールが多い理由としては、他の診療科医に比べて緊急オペや分娩など口頭による指示だけでは済まないことが多々あるからです。運が悪いと夜中の2時に呼び出されることもあるようです。
自宅オンコール待機の給与・手当の相場
給与に関してですが、最近はそのほとんどがインセンティブ制をしいています。
自宅待機に対して支払われる手当と、オンコール発生時に支払われるインセンティブ給与です。オンコール対応した際のインセンティブは1万円前後となっているようです。
実は、このオンコールの当番医師が「無給」であることが多い問題があります。
もちろん病院に呼び出されて診療を行えば、その時間に対しては時間外の給料が発生しますが、自宅で電話を受けただけでは給料が発生しないところがほとんどです。
また病院によっては、待機中は労働とみなさずに手当を支払わないケースもあり、医師の就労環境を整えることが急務となっています。
オンコール待機を経験した医師の声
実際に、オンコール待機を経験した医師の声を集めてみました。
40代 男性医師
私が勤務している病院では待機してても呼ばれない限り料金は発生しません。呼ばれたら時間外として基本給から時給換算して支給です。深夜なら深夜手当てで時給を1.5倍した金額になってますね。
50代 男性医師
以前働いていた病院がオンコール体制でした。
待機していても呼ばれなかったら手当はなしです。
お盆・正月に関わらず待機していないといけなくて本当に辛かったです。
40代 女性医師
オンコールでいくつかの病院経験ありますが、忙しく頻繁に呼ばれるところは当直のほうが遥かに楽です。
とにかくいつ呼ばれるかわからないし、そのまま当直した方がいいのではと思ったことがよくありました。
オンコール待機がない病院へ転職する
医師である以上、急患に対応することも重要な役割ですが、それも本人の心身の健康が伴っていなければいずれ大きなミスなどを起こすことにもつながりかねません。
現在、オンコール体制や勤務状況に悩まされている勤務医の方は、転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
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休日などにどうしても病院の都合に合わせられない人は、オンコール待機がない求人を選ぶとストレスなく働くことが出来ます。